標津町では一般に「鮭は余すところがない」と言い伝えられていますので、簡単にご説明いたします。
@ 氷頭:スライスにしてなます・味噌あえにします。鼻先から眼の上にかけての軟骨部分で、透明で氷のように見えるので氷頭と呼ばれる。
他にネギ・塩とともに細かくたたいた氷頭のたたきも美味。
A 頭:骨やヒレの付け根などと共にアラと呼ばれ秋鮭の体のかなりな部分を占めています。見た目が悪いので捨ててしまう人もいますが、逆にアラのほうが美味しいという人もいます。
塩味の三平汁や味噌味の石狩鍋には欠かせません。他に頭を煮付けたかぶと煮や中骨の昆布巻もいけます。
B 心臓:キモとも呼ばれ鳥の心臓と形が似ています。塩ふり焼きやバター焼きの他に煮物等にもあいます。1尾に1個、冷凍保存ができないので流通されていない希少な逸品です。
C 肝臓:新鮮なものは牛や豚よりもクセがないようです。血抜きをしてバター焼き、ゆでてすり潰してあえものやペーストに使えます。
D 卵・白子:メスの卵はスジコやイクラに加工され良く知られています。
1尾に約3,000粒で400〜500gあります。このスジコやイクラはビタミンAを豊富に含んだ栄養価の高い食品です。
一方オスの白子は新鮮なものを酢の物や鍋物に使います。
E 食道・胃・直腸:俗にチュウと呼ばれ良く洗って塩からにしたりゆでて酢の物に。又、タレを付けてホルモン焼き風にも楽しめます。
F 腎臓:高級珍味めふんになる場所。血管ではなく立派な臓器です。
傷を付けないように取り出し塩漬けにしてめふんになります。
身:生で良し、塩(甘・辛)で良し、ルイベ(冷凍刺身)で良し。煮ても焼いても日本人に馴染みのある食材です。
北海道の沿岸部では先住アイヌ民族が海水で洗って干した越冬食料をトバと呼んでいたことから冬葉と言う乾物もある。
皮:こんがり焼くとちょっとした酒の肴になります。カナダでも鮭皮料理を出しているお店があるとか。
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